万病に効くハーブの話 その2

万病に効くハーブの話にたくさんのシェア、いいねをありがとうございます。
何件か、「で、その万病に効くハーブを教えて!」とお電話もいただきました(笑)。
別に出し惜しみして書いていないんじゃないんです。
私も効果はあるだろうけど、それで、問題が解決するわけじゃないと書いたように病気になってから、それだけで立ち向かえるのなら、そもそも医者なんていらないじゃん?
そんなうまい話はないと、私自身が思っているので、紹介できないんです。

それに、そのハーブのリストの中には、現代では、人体に良くないものが含まれるととして、経口摂取するのはやめなさいと国際機関に言われているものもあるし、吉益東堂は、「毒をもって毒を制する」として、あえて、下痢をさせたり、吐かせるよう処方もしていたように、この薬草リストも使用量を間違えると毒である薬草が、含まれるので紹介できないんです(*^-^*) こういうのを一つ一つのハーブについて説明するの大変だから、書けないんです。

それにしても、東堂さん、 やってることは、ヴィレーチャナとかヴァマナとか、ほんとアーユルヴェーダに似ていて面白いです。

面白いついでにいうと、吉益南涯の弟子に花岡青洲がいて、彼は朝鮮朝顔による全身麻酔を世界で初めて使い乳がんの手術を成功しました。その医学史に残る功績から、日本麻酔科学会のシンボルマークは朝鮮朝顔。 
今の日本の医療の流れの中にも、その足跡を見ることができます。
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 ドラマ[JIN~仁~」で桐谷健太さんが、花岡流の医術を学んでいて、野風(中谷美紀)の手術の際、その麻酔の知識を南方仁(大沢たかお)につたえる話があるんだけど、
医学の発展の歴史が、こういうドラマの中で見ることができると、とても感動します♪ Amazonプライムで見られるのでお勧めです♪

そして、前回の記事で男らしさで人気急上昇の、ペッテンコーファーさん。 
実は、留学中の森鴎外の医療のお師匠さんのひとりです。そのあと、森鴎外さんはコッホの下で、細菌学も学びます。だから、この二人と日本の医術はすぐにつながっていたんですね。なんかすごいよね?

でも私が、この万病一毒論や人体環境要因説をいちばん感じるのは、実は農業の分野でです。

インドの言葉で「人体」を表す「クシェートラ」という単語は「土地」という意味も併せ持ちます。
クシェートラを損なうバランスの欠如と一毒は、そのまま畑にも当てはまると感じます。

農業においては、この一毒=未消化の食べ物=アーマは、「窒素過多」といわれるものにあたると感じます。(もちろんそれだけじゃないけど)

畑で作物を作ったことがある人なら だれもが一度はやらかしたことがあると思いますがw、お野菜を大きく育てたくて肥料をたくさん入れすぎます。

すると、葉っぱの緑が濃くなって、とても茂り大きく育ちます。
わーいわーいと喜んでいると、この窒素のにおいに誘われて害虫が来たり、葉の表面に余った窒素を食べるために菌が繁殖して病気になったり、いろいろ困ることがおきます。

窒素肥料のやりすぎが、害虫や病気の原因というのが有機農では ほぼ定説になっていて自然農とか有機栽培というのは、ひとことでいうなら、即効性のある窒素肥料を入れないことで植物に、この未消化物であるアーマを作らせない農法と言ってもいいのではないかと感じるくらいです。

そもそも地面の中には いろんな菌がひしめいていて、病気の原因菌をなくすなんて土台無理な話なんです。

殺菌剤というものもあるけど、善玉菌も悪玉菌も皆殺しにするので一度使うと病気になる菌がその後爆発的に増えるので、使い続けなければいけなくなるというのも近代農法ではよくある話です。人体に抗生物質を使うと常在菌のバランスが崩れ、その後感染症にかかりやすくなる感じに似ていますね。 

そこで菌が悪いのではなく菌に侵されてしまう体(土地)の方に問題があるという考え方を採用し、それでも病原菌の密度が高くなりがちな土地には善玉菌を投入したり、有用菌の餌になるものを投入することで、細菌叢を整えるというのも近年では慣行農法(化学肥料や農薬を使う一般的な農法)でも取り入れられてきています。

農業と医学を見たときに 慣行農法:有機農法=西洋医学:伝統療法 の構図に例えられるように思います。
近年では慣行農法に有機農法の持っていた菌根菌の活用やバチルス属をはじめとする有用菌を活用するなど、対立する農法として批判しあうのではなく、歩み寄って、より良い道を模索していく動きも多くあります。

それが、伝統医学と近代医学の歩みにも感じられて、今後の展開が楽しみな点も似ています(*^-^*)。